この記事の要点
- 犬は交配時6歳以下・生涯出産6回まで
- 猫は交配時6歳以下、出産回数の上限はなし
- 7歳まで交配するには出産回数の証明が必要
犬と猫の上限
販売・貸出し・展示のために犬猫を繁殖させる販売業者・貸出業者・展示業者には、雌の交配時の年齢と生涯出産回数の上限があります(基準省令第2条第6号ホ・ヘ)。
| 原則 | 7歳まで交配できる場合 | |
|---|---|---|
| 犬 | 交配時6歳以下、生涯出産回数6回まで | 7歳に達した時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明できるとき(出産回数6回までは同じ) |
| 猫 | 交配時6歳以下(出産回数の上限は定めなし) | 7歳に達した時点で生涯出産回数が10回未満であることを証明できるとき |
環境省の解説書(動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針)は、原則の交配終了年齢を6歳(満7歳未満)、例外の場合の絶対的な交配終了年齢を7歳(満8歳未満)と説明しています。犬は6〜10か月の間隔で発情を繰り返すため年齢に加えて出産回数で、猫は年3回程度の出産が可能なため年齢を基本にした基準になっています。
例外には出産回数の証明が要る
7歳まで交配できるのは、生涯出産回数を証明できる場合だけです。解説書は、証明できない場合は7歳になれば交配できないとし、基準で記載が義務づけられている繁殖実施状況記録台帳に出産回数を正確に記録しておく必要があるとしています。台帳を記録していなかった事業者は、基準違反として扱われるうえ、7歳まで交配できる規定も適用されません。
繁殖実施状況記録台帳は5年間の保管ですが、解説書は、台帳によって保存期間の5年より前の出産も含めた累積の回数を確認できるとしています。
年齢・回数のほかに守ること
- 1年以上飼養する犬猫は、毎年1回以上、繁殖の適否の診断を含む獣医師の健康診断を受けさせ、診断書を5年間保存します(第2条第4号ハ)。
- 健康診断や帝王切開の診断などの結果に従い、繁殖に適さない犬猫を繁殖させてはいけません(第6号リ)。年齢や回数の上限内でも、診断で適さないとされた個体は交配できません。
- 帝王切開は獣医師に行わせ、出生証明書と、母体の状態・今後の繁殖の適否に関する診断書を受け取って5年間保存します(第6号チ)。
- 他の販売業者などに犬猫を譲り渡すときは、繁殖実施状況記録台帳の写しを併せて渡します(第6号ニ)。
いつから適用されているか
基準省令は令和3年6月1日に施行されましたが、雌の交配年齢と出産回数の基準は、令和4年6月1日から適用されています。マイクロチップの装着・登録の義務化で年齢の確認と台帳による回数の確認ができるようになることを考え、1年の経過措置が置かれました。台帳への年齢・出産回数の記載や、年1回の健康診断、帝王切開の基準は、令和3年6月から適用されています。
都道府県や指定都市は、条例で、省令の基準に代えて第一種動物取扱業者が守るべき基準を定めることができます(動物愛護管理法第21条第4項)。事業所のある自治体に条例の定めがないかも確かめておきます。
よくある質問
年齢は交配した日で数えますか?
基準は「雌の交配時の年齢」です。交配の日に何歳かで判断します。交配の日が分からない場合、繁殖実施状況記録台帳の参考様式では、交配年月日の代わりに同居を始めた年月日を記入するとしています。
雄にも年齢の上限はありますか?
年齢と出産回数の上限は雌について定められています。ただし雄も、年1回の健康診断で繁殖の適否の診断を受け、繁殖に適さないとされた個体は繁殖させてはいけません。
猫は何回でも出産させてよいのですか?
猫には生涯出産回数の上限は定められていませんが、交配時の年齢は原則6歳以下です。7歳まで交配するには、7歳に達した時点で出産10回未満と証明できることが必要です。
いぬねこ帳簿でできること
いぬねこ帳簿は、繁殖用の雌ごとに、交配の予定日の年齢と出産回数を計算し、交配の前に上限を超えないかを判定します。7歳の例外は、証明の記録を付けた場合だけ認めます。
上限を超える交配も、事実と帳簿を合わせるために保存はできますが、理由の入力を求め、警告として残ります。警告は消せず、帳簿のPDFと立入検査の閲覧にも出ます。
出典
- e-Gov法令検索「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(第2条第4号・第6号、附則)
- e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」(第21条)
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」3-6 繁殖に関する事項
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」5-1 経過措置について
最終確認日
個別の判断は所轄の役所・専門家にご確認ください。