この記事の要点
- 繁殖させる販売業者は台帳を作り5年間保管する
- 犬猫は交配時の年齢と生涯出産回数を必ず記入
- 健康診断と帝王切開の書類は獣医師の交付を保存
台帳を作る義務
販売・貸出し・展示のために動物を繁殖させる業者は、繁殖の実施状況を記録した台帳を作り、5年間保管します(基準省令第2条第6号ハ)。個体の帳簿(動物愛護管理法第21条の5)とは別の書類で、環境省は解説書(動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針)で参考様式を示しています。
| 欄 | 記入すること |
|---|---|
| 交配等年月日 | 交配した年月日。明確でない場合は同居を始めた年月日など |
| 雌・雄 | 動物の識別番号、名称など、交配した個体を特定する情報 |
| 出産予定日・出産年月日・出産数 | 予定日と実際の日、生まれた数 |
| 出産後の雌の状態 | 健・否。帝王切開をしたときは獣医師の診断の結果(次回の繁殖への指導・助言など) |
| 新生子の状態 | 出産時の「健康」「疾病等」「死亡等」の個体数 |
| 雌の交配時の年齢 | 犬猫に係る記入欄。何歳か |
| 雌の生涯出産回数 | 犬猫に係る記入欄。何回目の出産か |
| 今後繁殖の用に供する可能性 | 雌・雄それぞれ有・無。やめた場合はその年月日 |
| 備考 | そのほか必要なこと |
解説書は、自治体の立入検査などでは、これらの記録をもとに繁殖の基準の守られ方を確かめるとしています。7歳まで交配できる例外を使うときの出産回数の証明にも、この台帳が使われます。
年1回の健康診断
1年以上続けて飼養する犬猫には、毎年1回以上、獣医師による健康診断を受けさせ、結果を記載した診断書を5年間保存します。繁殖に使う場合は、繁殖の適否に関する診断も含めます(基準省令第2条第4号ハ)。解説書は、雄雌ともに対象で、個体が販売や死亡で事業所からいなくなっても、診断を受けた日から5年間の保存が必要としています。
帝王切開をしたとき
獣医師に行わせる
帝王切開は獣医師に行わせます(第2条第6号チ)。
2つの書類を受け取る
出生証明書と、母体の状態及び今後の繁殖の適否に関する診断書の交付を受けます。解説書は、獣医師法に基づく書類であり、台帳への記載で代えることはできないとしています。出生証明書は、獣医師が自ら出産に立ち会った場合でなければ交付できないと解説書は説明しています。
台帳に診断の結果を書く
台帳の「出産後の雌の状態」欄に、獣医師の診断の結果を記入します。
5年間保存し、診断に従う
書類は5年間保存します。今後の繁殖に適さないと診断された個体は、繁殖させてはいけません(第6号リ)。
他の業者に譲り渡すとき
販売業者・貸出業者・展示業者が、他の販売業者などに犬猫を譲り渡すときは、繁殖実施状況記録台帳の写しを併せて渡します(第2条第6号ニ)。条文は犬猫を譲り渡す場合としていて、繁殖用の雌に限っていません。子犬・子猫をペットショップなど他の販売業者に販売するときも、写しを用意しておく必要があります。
よくある質問
台帳の様式は自由ですか?
基準省令は台帳を作って保管することを定め、様式は定めていません。環境省の解説書が参考様式を示しており、自治体が独自の様式を案内していることもあります。
死産だった出産も回数に数えますか?
基準省令と解説書には、死産の出産を生涯出産回数に数えるかの明文はありません。台帳の参考様式では新生子の「死亡等」の数も記入するため、記録は残したうえで、数え方は所轄の自治体に確かめてください。
健康診断はどの犬猫が対象ですか?
1年以上続けて飼養または保管する犬猫が対象で、毎年1回以上受けさせます(基準省令第2条第4号ハ)。繁殖に使う犬猫は、繁殖の適否に関する診断も含めます。
いぬねこ帳簿でできること
いぬねこ帳簿は、交配と出産を記録すると、母の帳簿に交配時の年齢と出産回数が残り、出産の記録から子の帳簿を頭数分作ります。生まれた数と生きている数も分けて記録できます。
帝王切開と記録した出産には、出生証明書と獣医師の診断書を母の健康記録に添付するよう案内し、添付がないまま7日を過ぎると受信箱に出ます。健康診断などの記録もファイル付きで個体ごとに残せます。
出典
- e-Gov法令検索「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(第2条第4号・第6号)
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」3-6 繁殖に関する事項
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」(目次・参考様式)
最終確認日
個別の判断は所轄の役所・専門家にご確認ください。